Fleeting
うつろい
うつろい
時の流れと無常観
Sense of time and impermanence
日本古来の感受性を表すものに、「無常」という考えがあります。
全ては移り変わりやすく一定でなく、変化し続けるという考えです。
今取り組み始めている作品は、この時間の観念をコンセプトにしています。
時間といっても比較的短い期間に注目し、同じ場所で数秒~ 2,3 時間程と時間をずらしながら撮影した
複数枚の写真を1枚の和紙に複数回転写しながらプリントすることで、時間の流れを1 枚の紙の上で
可視化させています。
長い時の流れの中で物事や心情が変化するのは当然のことですが、短い時間の中でも思いの外すべては
変化を続けており、止まっているものなどほとんどないということをより実感させます。
和紙はそれぞれの作品の風合いとあうよう何種類かの手漉き和紙を使用。
紙の上に1 枚づつ写真を転写していく作業工程はどこか浮世絵とも似ているようにも感じられます。