「静かな時間に」から
Photographer
1985年 米カルフォルニア州生まれ、東京で育つ
アメリカと日本のルーツを持つ
東京ビジュアルアーツ専門学校 写真科Ⅱ部卒業
その後写真作家活動を続けている
Gallery KURUM’ART contemporary 登録作家
Born in California, USA, in 1985, raised in Tokyo JAPAN.
Have American and Japanese roots.
Graduate TOKYO VISUAL ARTS ACADEMY.
Continue to use photographs in my creative work.
「静かな時間に」から
イメージの向こうの深淵
Major works
現実と非現実、日常と非日常などの間に横たわる、違和を感じる「境界線」をテーマとし、多くは自然空間の中に人為的なモチーフや光源を実際に組み込んで撮影しています。
また、全てがそのようにして意図的に造られた映像ではなく、あえて何も操作を加えずに撮影した風景写真もあります。
それらを併置することで、境界がもつ連続性と曖昧さ―意図の有無を越えた「境界の調和としてのグラデーション」―を浮かび上がらせたいと考えています。
Sense of time and impermanence
― 時の流れと無常観 ―
日本古来の感受性を表すものに、「無常」という考えがあります。
全ては移り変わりやすく一定でなく、変化し続けるという考えです。
今取り組んでいるテーマの1つでは、この時間の観念をコンセプトにしています。
比較的短い期間に注目し、同じ場所で数秒~ 2、3 時間、1日程度と時間をずらしながら撮影した複数枚の写真を1枚の和紙に複数回転写しながらプリントすることで、時間の流れを1 枚の紙の上で可視化させています。長い時の流れの中で物事や心情が変化するのは当然のことですが、短い時間の中でも思いの外すべては変化を続けており、止まっているものなどほとんどないということをより実感させます。
Recent Processes
浮世絵は美しいだけでなく、古の旅人が目にした風景を記録している側面があります。
現代でも私たちは同じ場所に立ちその景色を見ることができますが、車や電線など近代的なオブジェクトが足されていたり、全く違う状況になっている場合もあります。反対にほとんど変化していない風景もあり驚かされます。
作品のプリントにはコットン紙や和紙などを多用。それぞれの作品の風合いや物語性と合うよう様々な色味・厚さ・素材感の紙を使い分けています。
作品によっては、日本画で使用するドーサ(Dosa solution)や胡粉等を使用することもあります。
また最近では新しい試みとして印画紙や和紙だけでなく、日本古来の伝統を継承した金銀紙へのプリントにも挑戦しています。